しょぼくれライフ

バイク趣味のしょぼくれた老ライダーです!高齢者の立場からの各種バイク批評のブログです。

CD110があるじゃないか!

 SP125を見に行ったとき、あまり眼中にはありませんでしたが、SPの白錆びの件に引っかかっているうちに、そういえば白錆びのないCD110はどうなんだろうと考えてみました。店頭の実車はあまり印象に残らず、型遅れだと思っていましたが、

 現地インドのHPを見るとCD110は型遅れではなく現行車両でした。
360°ビューを見てみると

 店頭では地味で目立たないだけあって、あまり強く個性を主張せず、万事控えめなこの実用車もありだなと思えてきました。なおサリーガードは日本では不要だ思いましたが、

 後日、私は持参したサイドバッグを店頭で当てさせていただくと、ぴったり装着できました。頑丈なサイドバッグキャリアとしてそのまま利用できるので、とても便利な装備だと思います。

 インドのHPではこんなオプションもありました。日本でも使えると安心です。


 ボディサイズはSPとほぼ同じでシフトは4速、排気量が15cc少なくなり、当然出力もトルクもダウンしていますから、日本ではバイパスの走行もおぼつきません。さらに前後ドラムブレーキ、ヘッドライトはバルブ、メーターパネルにはトリップもギア表示も時計もありませんから、SP125に比べて装備面でもかなり劣ります。移動の足に徹する実用バイクなのでしょう。それでもアナログ2連メーターなのでクラシカルでオシャレだなと思いきや、

 右側はただの燃料計で、なんとも肩すかしのなんちゃってクラシカル。タコメーターなしの2連なんて、とがっかりしていたのですが、このバイクがフロントもドラムブレーキで未だにアナログメーターだったことが、実は相当なメリットになることに気づきました。

 メーターケーブルが国産車ではもう見られなくなったタイプで、前輪メーターギヤから取られています。この場合は目的に応じて、前後スプロケの丁数を変えてもメーターに誤差は生じません。Fi車ではかなり珍しい事です。

 通常、多くのFi車はカウンターシャフトやリアスプロケに回転数センサーを付けて計測していて、丁数変更すると速度や距離計、ギア表示等に誤差・誤表示が生じ、その補正には相当な手間や費用がかかりますから、スプロケ交換自体を諦めてしまう場合が多いのです。従って適合品を入手できる場合は、Fi車でありながらユーザーが自由にスプロケ交換できるこのCD110は、なかなか魅力的で貴重なバイクなのです。なお、CD110の前/後スプロケ丁数は14/42と超ローギアードです。2022年式スーパーカブJA59はCD110と同じロングストローク(ボアスト比1.34)になりましたが、スプロケは14/35で実用的なギア構成です。日本の道路事情に合っていないCD110はハイギアード化が欠かせませんから、CD110の旧式装備が逆にメリットになるのです。

 大きな魅力がもう1つ、肝心の積載性が純正リアキャリア標準装備でしっかり確保されていることです。SPは海外からの取り寄せ品ならリアキャリアは手に入りますが、2万円程度かかります。

 入荷時期が良かったので白錆びはありません。

 しかし、チェーンカバー内に見えるスプロケは、新車なのに錆だらけで真っ赤になつている車体もありました。結局これがインド品質でSPと大差ありませんが、

 ただ、同じCDでも車体によっては、この通り錆びのないものもありました。

 購入時は実物をよく見るべきですね。

 一番大切なエンジン等の基本メカニズムは新型のSPと同じで、最新の技術が採用されています。

 超低燃費ESPエンジンにアイドリングストップなしの安心ACGスターター、ボアスト比1.34の力強いロングストロークスーパーカブJA44は1.11)。低速域重視は歴然、通勤や買物メインなら十分な走行性能ですが、下道ツーリングではストレスフルなのでは。ブレーキが前後ともドラムでABSなしですが、CBSタイプの連動ブレーキですから安全基準は満たしています。

 このバイクの前身は2012年にホンダがインドに投入しており、「Dream Yuga」の名でデビューしています。いささか古い仕様で、燃料供給はキャブレターでカタログ上の燃費は62km/L、航続距離は500km、シート高はCDより30mm高い820mm、それでも2連メーターにはちゃんとタコメーターが用意されていたので、レトロなクラシカルを志向していたんだと思います。

 後継のCD110dreamはインド農村部の需要に対応して2014年に投入、実用性と耐久性を高め、カタログ燃費は65km/L、燃料タンクはYugaより1L多い9L、航続距離は590kmへと向上しました。

 そして2018年、今回のCD110dream deluxeへとマイナーチェンシされ、燃料供給はFiになり燃費74km/Lへ、航続距離は670kmへ高められています。リアキャリアとサスペンションが一層強化され、クロムマフラープロテクターを装備しています。

かつてホンダのCDシリーズはベンリイの愛称でビジネス用途で貢献しました。

1966年誕生のCD125、辿ればここまで遡れる系譜がCD。このCD110もその由緒あるブランドを冠せられています。

 さて、私はSP125の驚異的な燃費と航続距離に注目してインドバイクに興味を持ちましたが、このCD110に関しても十分な燃費性能だとわかりました。現地インドでは航続距離の長さで人気だそうです。日本でもオーナーレポート(みんカラ)では実燃費の平均が57.2km/Lという立派な数字を出していますからたいしたものです。航続距離は実質ベースでも500kmを実現、積載性もありますから、実用車ながら下道ツーリングにも十分使える可能性があります。

カラーは4種用意されています。



 本体価格が税抜き14万円という安さも大いに魅力です。SPと比べれば走りや装備に不満はありますが、CDは考えようによってはスーパーカブのMT版で、クラッチ操作が必要なものの、航続距離は3倍になります。
スプロケ交換でハイギヤード化すれば、日常の足でありながら下道ツーリングにも活躍しそうです。スーパーカブスプロケ丁数の変更は可能ですが、タンク容量が半分以下なのでツーリングは近場に限られます。しかしこのCD110は驚異的な航続距離でロングツーリングが可能です。ただオイル漏れやメーター針脱落など品質面のインドリスクがオーナー報告されています。が、その点もSOXの2年保証がありますから、十分耐えられるかもしれません。

追記
 10月下旬、SOXはCD110の特売に入りました。本体価格が10000円の値引きで税抜き13万円になりました。SPも出た事からの処分価格かと思います。SPは完売すると次期ロットは1万円値上げされるそうですから、その時点でCDとSPとの価格差はなんと5万円にもなり、もしSPにリアキャリア(2万円)を付ければ価格差は7万円。CDの格安ぶりが際立ちます。そもそもCDのインド現地価格を円換算すれば約8万円です。はるばる日本に輸出されてもこの価格なのは、驚愕の低価格。頭を離れなかったインド品質への不安も吹っ飛んでしまいそうです!

 さらに11/20から12/19まで「冬のバイク館まつり」が開催され、成約記念サービスに加え、来店予約割引が5000円となります。もちろんCD110も5000円引きの対象になるそうです。

 美しいブルーとグラフィックが印象的で、なかなかどうしてカッコイーです。




はじめはSP125の比較対象として検討していただけのCD110、よくよく考えてみればコスパ最強のバイクでした!!!

最後までお読みいただきありがとうございました。

再追記
2022年4月、バイク館(SOX)ではすでにCD110は完売しています。
再々追記
2022年8月よりバイク館(SOX)は再度CD110の新ロットの販売を始めています。仕様変更はなく価格は税抜18万円へと値上げされています。