しょぼくれライフ

バイク趣味のしょぼくれた老ライダーです!高齢者の立場からの各種バイク批評のブログです。

遂にラスボス登場か!?BMW F450GS

一昨年から話題になっていたBMWのミドルクラスアドベンチャー、F450GSの正式発表とともに受注が5月19日開始、発売は9月とのことで、日本でも長らく切望されていたオフ車系アドベンチャーの400ccクラスに、ドイツの名門BMWが性能・スタイル・価格どれをとっても並外れた新型車を投入します。

このアドベンチャー界の驚異に直面する同一排気量帯での日本車は、今のところ(2026年5月現在)ロードバイクベースのホンダのNX400(6月発売)だけです。

現代版デュアルパーパスとしてのアドベンチャーはアフリカツインを筆頭とするリッターオーバーの重量級、トランザルプやテネレ、Vストローム800のミドルクラス、やや系統は異なりますが、ヴェルシス650。そして日本では最もユーザーの多い軽2輪クラスにVスト2車種、CRFラリーがいます。昨年まではスズキから650ccのVストがいましたが生産終了。大雑把にまとめれば日本的には650・700・800は大型なので、国産メーカーからはNXを除いて、大型と小型(250)しかありませんし、ましてやオフ車系ミドルアドベンチャーは今のところいません。従ってF450GSは現状では日本市場では、唯一のオフ車系ミドルアドベンチャーということになります。

大型は所有感はあっても取り回しが不便で、小型は取り回しはしやすくても、高速道路を使っての快適移動にはパワーが不足する。従って実用で考えれば400ccクラスの真正ミドルクラスこそ日本の道路事情や平均的日本人の体格では最も合理的です。

昨年まではロイヤルエンフィールドのヒマラヤ450に私は大いに興味を持ちましたが、ディーラー網の連携難がネックだと感じていました。そこに、その難点をクリアできる全国70店舗のモトラッド網を持つ名門BMWがまさに真正ミドルクラスのF450GSを投入します。

BMWのアドベンチャーにはフラッグシップ

R1300GS。重量は258kg、価格もプレミアグレードで285万円。私には試乗すら考えることもできない存在です。そして、もう少し近寄れるのが、F800GS

そして、F900GS

それでも車重と価格は800で238kg・138万円、900だと219kg・204万円にもなります。私のようなシニアにはこのクラスでも縁遠いバイクたちでした。

ところが、BMWは重量が178kg、価格は最高グレードでも103万円(税込)という信じられない安さと軽さでミドルクラス(420cc)のアドベンチャーを出してきたのです。しかもETCやUSB、グリップヒーターまで標準装備ときては、どう考えても30万円は安い衝撃的な価格設定です。日本メーカーが利益が出ないからと放置してきた最も日本人向けのはずのクラスに、世界メーカーの余裕からかBMWがそこを取りに来たことになります。

車種構成は3タイプ3色で

エクスクルーシブ(96.1万円)

スポーツ(98.4万円)

トロフィー(103.3万円)

最上位機種のトロフィーが機能も充実し、価格もBMWブランドとしては破格であることから、このタイプが売れ筋となるはずです。

主な特長としては

爆発タイミング135度のクランクピンオフセットとバランスシャフトを採用し、パラツインながら振動を抑えた鼓動感、マグネシウムのエンジンカバーで軽量かつコンパクト化を実現。

リアのモノサスは信頼あるKYB製。リアスポーツサスには伸び側・圧側双方の減衰力調整機能装備で優れた路面追従性を実現。

フロント倒立サスもKYB製で、フロント・リアともにサスストローク180mm、オフロード走行が考慮されています。

上位機種と同じX型デイライトを備えた高性能LEDヘッドライト。

6.5インチTFTディスプレイ、3種のライディングモードを選べるトラクションコントロール搭載。

最上位機種トロフィーに標準装備のERC(イージーライドクラッチ)、クラッチ操作を省ける機構で、渋滞時やロングツーリングでは、ライダーの疲労軽減に貢献。ホンダのEクラッチに相当する新機構です。これだけでも私にはありがたい装備です。

ホンダのEクラッチは電子制御と数個のモーターからなる機構ですが、ERCは遠心クラッチを進化させた機械式で、後付けもできる機構。上下クイックシフターとの組み合わせで、試乗したジャーナリスト達も絶賛する快適な操作感とのことです。

なお、上級機種に装備される6軸IMUまではさすがに装備されませんでした。

ここで日本でのライバル、ホンダのNX400とのスペック比較をしてみます

NXはロードバイクが基調、GSは明確なオフロード系アドベンチャーの性格が良く現れています。万能性はGSに、ロングツーリングにはNXに分があるかもしれません。

なお、オプションにフラットロングのラリーシートがあり、これに換装すれば(AI作成)

一昨年のEICMAでの衝撃的なフォルムが再現できます。この未来的なフォルムこそ今回の新型GS最大の魅力かもしれません。丸山浩氏はシチリアでの試乗で、このラリーシートを絶賛されていて、本来こちらを標準装備すべきとも仰っておられましたね。

この大胆なデザインとカラーリングは、日本では好き嫌いが分かれそうですが、私には素晴らしいアートのような美しさです。

排気量も日本では合理的で、ERCのようなシニアにも優しい機構、軽く取り回しもラクで、航続距離もまずまず期待できるアドベンチャー。日本ではスズキのVスト650が切り開いてきたアドベンチャーカテゴリーに、遂に本命車種として中高年ライダーを虜にする可能性が出て来ました。

経済的で安心な国産か、リスキーだが魅力的なBMWか?故障率が高かったり、修理代が国産の数倍にも及ぶリスクで、敬遠しがちなイメージのブランドがBMWでしたが、最近では他の外国車とは異なり、開梱時に伴う約10万円の費用はかからない措置をとっています。それでも国産車にはない購入時のみの予備検査費用3万円はかかります。また、オイル交換ではBMW指定オイル5000円/Lが必須で、F450GSなら2.6リットル分でオイル代だけで13000円、工賃を含めればオイル交換だけで毎回2万円を要します。

憧れはしても、庶民であれば相変わらず高嶺の花がBMWですが、ずいぶん日本向けに企業努力がなされているようです。

例えばインド生産でのパートナーTVS

1911年創業、資本金85億円、従業員数50000人のインド最大レベルの製造企業。

今回のF450GSの先代G310GSの生産を担ってきたインド企業で、BMW初心者には待望の単気筒小型車種を安価に生産し、高い機動性と燃費の良さで、エントリー層に高評価は得てきましたが、残念ながら各種不具合やリコールを引き起こしてきました。そこで、BMWの技術指導がかなりの規模で行われ、BMW本体も電装系の弱点補強がなされてきたようです。G310GSでの各種対策を通して、品質改善のノウハウが培われて、今回のF450GSには相当活かされているものと思います。

日本では国産に比べてケタ違いの修理費に不安な顧客に向け、BMWはメーカー保証を3年も付け、定期点検さえ受け続ければ最長5年間のメーカー保証も可能としています。また、ロングツーリングにおいて旅先で故障した場合は、全国どこでも最寄りのモトラッド店が対応して、帰宅まで万全を期すロードサービスが3年間無料の恩典が付きます。こうしたBMWの戦略的アフターフォロー策があるにせよ、経年劣化やユーザー責任による故障・修理には相変わらず数十万円の出費もありうることは覚悟しなくてはなりません。

セレブではない一般的な日本人にとって、リスク含みかもしれない今回のコスパ抜群で魅力満載になったBMWの新型車であれば、初めて思い切って購入検討の対象にできるのかもしれません。

予約が始まったばかりにも拘わらず、かなりの反響で各店の割当台数枠が早期に埋まると、次期ロットの納期は来年かもしれませんが、そこはけっして焦らず、まずは実車に跨がって足付きを確認したり、できれば試乗しておく必要があると思います。具体的な購入の検討はそのあとでも遅くはないと思います。BMWのリセールバリューは旗艦車種を除いてかなり低いので、購入は極力慎重でありたいものです。

日本メーカーからはカワサキが来年にはタイ製KLE500を投入予定で、オフ車系アドベンチャーとしてF450GSと対峙します。

純国産としては、スズキがもしDR-Z4Sのツーリング仕様として、例えばジェベルを復活投入すればさらに面白い展開になります。(私の希望的AI画像)

適うことなら、庶民にとっては外車の維持費リスクを回避する、国産オフ車系アドベンチャーの登場が本当は望ましいのではと思います。

 

まずは9月、F450GSの実車や試乗後に追記として当記事を更新する予定です。

それにしてもBMWによる今回の新型車F450GSは、多くの日本人ユーザーの要望に応えるミドルクラスアドベンチャーの決定版=ラスボスとも言うべき傑作であり、日本企業の間隙を突いたドイツ企業の快挙です。そこで私はあえて腰の重い日本メーカーを鼓舞する意味でも、こう率直にBMWを称賛したいと思います。

       Klasse!BMW 

          (最高だぜBMW)

 

 

 

 

 

 

 

新型WR125R、これで良かったのか?

2025年春の大阪モーターサイクルショーで、カモフラージュされたWRが展示され、大いに話題になったヤマハ久々の公道オフ車が、ようやく2026年1月末に発売され、私も心待ちにしていたのでとてもうれしく思います。販売的にも大ヒットのようですし、各種メディアの評価も高いのですが、4スト125にしてはスペック面では相当無理な構成で、後ほど追記2で述べる試乗体験者としては、世間の高評価にけっして肯ける面ばがりではありません。当記事では新型WR125Rについて、私見に基づいて率直に考察してみたいと思います。(2026年4月)

メーカーホームページではオンオフ両用との触れ込みで、原付ながらツーリングにも期待できる、事実上のデュアルパーパス。モタードファンはRに続いてXが出るかどうか気になるところでしょうが、まずはヤマハのオフ車復活を私は歓迎したいと思います。

セローやWR250、はたまたトリッカーまで全てのオフロード系がラインナップから抹消され、アドベンチャーのテネレ700しかオフロード系がないという異常な状態がヤマハでは続いていました。

かつてヤマハはこのDT1を1968に投入し、国産初のオフ車の歴史を刻んだメーカーでした。

そしてヤマハは、1982年にはまたもや斬新なスタイルにモノリンクサス装備の、国産初の水冷2ストオフ車DT125を投入、この時は250ではなく125ccで、並みいる空冷250ccの強豪たちに挑んだメーカーでした。私はヤマハをオフ車の名門ブランドとしてのイメージを持った世代です。

この水冷DTでオフロード界に、まるで革命が起きたかのような一大ムーブメントが吹き荒れた記憶があります。DT125は上位排気量車にひけを取らないプライドをユーザーに提供していたと思います。実は私も20代の頃にDT125に乗っていまして、125ながら私設コースで練習したり、北海道ツーリングにも行った思い出深いバイクでした。

そして43年。ヤマハの125cc公道オフ車が最新型となって復活を果たしました。古い世代の私には、この125のWRは名車DT125の血脈を継ぐヤマハの意欲作として受け止めたいと思います。

かつては非力で頼りなかった空冷4スト125も、水冷化でパワーアップし、さらに可変バルブ機構VVAでより高い性能を発揮できると謳っています。私はしばらくの間、このWRと同じエンジンのXSR125に乗っていましたので、かつての4スト125とは段違いの走りっぷりは理解しているつもりです。ただ、下道しか走れない原付2種ではVVA(高速カム)は作動させたくてもなかなかできません。7000回転80km/hで作動する機構であって、せいぜい下道では瞬間的な追い越し時くらいしかその効果は発揮できません。

私にとっては懐かしいDT125と新型WR125をスペック比較してみました。

高回転なのに出力が低いように、新型WRは確かに2ストDTほどのパンチ力はありません。しかし、4ストですから追い風でも背中が排ガスのオイルで汚れる事もありませんし、燃費が良好ですから、タンク容量がDTより少なくても、実際の航続距離はDTよりも多いはずです。原付ながら下道中心のツーリングに期待したくなると思います。並行輸入車と違って、全国のヤマハ店でのメンテナンスが可能ですから、ロングツーリングにも不安はありません。

なお、今では標準装備となりつつあるスリッパークラッチは装備されませんでした。ダートでエンジンブレーキを自在に使いたいユーザーに配慮したのか、単なるコストカットかは分かりませんが、軽いクラッチレバー操作を期待する私のようなシニアには残念な措置でした。

スペック考察では、駆動系に大きな疑問を感じました。それは比較表に記載した前後スプロケの丁数です。ボアスト比では旧DTがショートストロークなのに対して、新WRはロングストロークであり、さらに二次減速比ではDTは3.53で2ストの特性を考慮した実用的な数値で、街乗りにも適応していましたが、新WRは何と4.21!4スト市販車では考えられない程の超ローギヤードです。この数値はかつての競技用仕様であり、加速力に偏ったギヤ構成です。

トップギヤの変速比は0.84で一見ローギヤードの緩和を示していますが、二次減速比がショート過ぎるので、最終減速比は3.53ですから一般公道では慌ただしくシフトチェンジを強いられ、速度もさして伸びません。

ただでさえ低速トルクに振ったロングストロークエンジンなのに、そのうえ超ローギヤードでは、一般道では過回転で乗りにくく、幹線道路やバイパスではすぐに回転数が頭打ちして必要なスピードが出ないはずです。メカに詳しい方によると、VVAとの相乗効果を狙ったのではないかとの事ですが、ここまで極端なローギヤードでは低速時における低速カムの利便性はエンスト回避くらいで、なかなか実感しにくいのではと私は思います。

ちなみに、国内販売されている原付オフ車はもう1台アプリリアのRX125がありますが、この車両はボアスト比0.81のショートストローク高回転型で、前後スプロケ丁数13/62で二次減速比が4.77。新型WR同様ダート用の数値で街乗りには適さないと思います。

 

数値だけで判断してWRに試乗したことがないので、確実な事は言えませんがWRはダート走行主体なら十分な走りを示すバイクであっても、一般公道で乗るには不便さが目立ちますから、日常ユースを重視するなら、純正ギヤを諦めて最低でもフロントを2丁上げるか、リア(ドリプン)を6丁下げる必要があります。しかし、速度センサーがカウンターシャフト側であれば、万事休す、丁数変更は補整器なしではメーター誤差がヒドくなってしまいますから、実施できません。

そこで、最寄りのYSP店に電話で速度センサーの取付位置をお尋ねしたところ分からず、続けてお尋ねしたYSP浜松店さんは、非常に丁寧な対応をしていただき、わざわざメーカーへ問い合わせていただいてのご回答をいただきました。浜松店さんによると速度センサーは懸念されたカウンターシャフト側ではなく、フロントホイールABSに接続されているとのことで、スプロケ交換による丁数変更は計器類に影響なしとの事でした。日常ユースでの購入であれば、購入時にフロント2丁上げをしておけば安心かもしれません。YSP浜松店さん、誠実な対応ありがとうございました!

さて、店舗に実車が入る1月末には、私もぜひ自分の目でこの期待の新型車を見に行きたいです。

追記1(2026年1月)

地元のYSPさんに早くも展示車が来ましたので、さっそく見に行きました。

125離れした堂々たるオフ車ですね、しかもXTZよりも洗練されたスタイルだと思います。

エンジン音も聞かせてもらえまして、単気筒らしい響きとアクセルへの反応も鋭く、頼もしく感じました。

ライトカウルに二眼のLEDが組み込まれて、スズキの新型DR-Zの1つ目小僧然とした一眼よりは、私には十分なカッコ良さです。

跨がりもできまして、シート高875ミリにビビりながら乗車しました。結論としては、リアの沈み込みが思ったよりも大きく、身長171センチの私でもこのまま乗れると感じました。

また、クラッチレバーがスリッパー不採用なので硬いかなと思っていましたが、この面でも杞憂でした。跨がり程度では充分柔らかくて、私のようなシニアでも苦痛にはならないと思いました。

ヤマハが満を持して投入した久しぶりの公道オフ車、素晴らしい実物を見て、そして実際に跨がってみてとても感心しました。航続距離も長く、上半身も起こせてロングツーリングもできるかもしれないWR125R、オフ車の名門ヤマハが復活した待望のバイクを喜びたいと思います。今後は125にとどまらず、上級排気量にもラインナップを広げてほしいものです。

追記2(2026年2月)

2月下旬になり、YSP袋井店でWR125Rの試乗ができるとのことで、私も興味津々でおじゃましました。

試乗車は精悍なブラック!いいですねえ、手続きを済ませワクワクしながら、実車の前に来ました。

二眼の面構えがブラックだと一層サマになります。カッコイーです。また、平坦な場所でもこのくらい傾斜するスタンドなら、万一ローダウンしてもショートスタンド換装しなくても支障ないかもしれません。

オフ車らしく細長いシート。タンク容量が8リットルもあるとは思えないほどタンク周りもスリムです。スタイルは全く申し分のない完成度です。125とは思えない車格に惹きつけられます。

1周4kmほどの良心的な試乗コース。とてもありがたいのですが、走り始めてまず感じたのは、過回転です。案の定、超ローギヤードで公道を走る違和感。ダートでなら頼もしい粘り強い走りは、アスファルトの一般道ではエンジンは唸るばかりでした。これではせっかくの最新式のエンジン性能があってもこんなにギヤ比がショートであれば、公道ではほとんど力を発揮できません。

バイパスではクルマの流れに乗ることはできましたが、ブンブン唸るエンジン音を聞きながらの走行はあまり気持ちのいいものではありませんでした。乗り方によっては中速域でVVA(高速カム)が作動する事になり、無駄なガソリンを使うことになります。以前乗っていたXSR125(二次減速比3.36)はバイパスですらVVAを作動させる事はありませんでした。

また、シートもオフ車特有の硬い材質で、数分乗っただけで、着座部は痛くなってきました。日常用途ではゲルザブ必須です。中高年に多いジヌシには要注意です。

クラッチレバーは展示車で触っただけなら硬くは感じませんでしたが、10分程度の十分な乗車時間をいただくと、さすがに硬くて左手が疲れてきました。もしツーリングであれば、私のようなシニアではこの車両は長時間走行は無理だと思いました。クラッチを軽くする対策が別途必要です。

せっかく良い試乗の機会をYSP袋井店さんからいただいたのですが、残念ながらデメリットばかりが目立ってしまいました。もし購入するとなれば、

1 フロント2丁上げもしくはリア6丁下げの丁数変更で二次減速比を公道用に適正化する(修正二次減速比3.68 or3.78)

2 足つきを犠牲にしてハイシートにするか、ゲルザブ装着で着座部分をもう少しソフトにする

3 クラッチレバーにライトクラッチを組み込んで左手の疲労を軽減する

4 日常ユース中心ならローダウンリンクで車高を下げて乗降しやすくする

若い方ならば素のまま乗れてしまうと思いますが、シニアがこの希少な原付オフ車に乗るにはこのような対策が必要です。袋井店の方も仰っておられましたが、WR125Rはメーカーやメディアが喧伝するような、ツーリングでも楽しいオフ車ではなく、林道やコース遊びに思いっきり全振りしたバイクです。従って私の思い描いたような日常使いやツーリング用途では常に過回転ロスを抱え、素のままの使用は私にはできません。

YSP袋井店さんにはせっかく試乗車をご用意いただきながら、このような感想となってしまい申し訳なく思います。

なお原付オフ車としては、並行輸入で日本に入っていたフルサイズのヤマハXTZ125は、ギヤ比等のスペックから見るコンセプトは日常ユースも考慮された実用的なオフ車でした。もう一度WRとの比較をしておきたいと思います。

WRは中国製(当初はブラジル製)XTZよりも遥かに高額ですから、ヤマハはその金額に相応しい高性能車を意図したのであれば、最高出力は少なくとも20馬力以上を与えていたはずです。しかるにXTZよりわずかに高い14馬力止まりではパワーウェイトレシオがオフ車でありながら9.52という低レベルで、XTZの9.07よりも鈍重です。(ちなみにスズキの駿馬DR-Z4Sは3.96という高いレベル)重く大きなフルサイズでありながら、出力がたった14馬力だったのは、欧州の免許制度における規制内に抑えるため、出力は控えめな数値にせざるを得ず、そこでVVA効果でパワー不足を補うことになったのでしょう。さらにダートでVVA(高速カム)を作動させる速度域は高速ではなく低速ですから、超ローギヤードにせざるを得なかったのが新型WR125Rということになります。XTZは品質は国産に劣るものの、扱いやすい車格で足つきも良く、余裕あるタンク容量でのんびりツーリングしたいとか、ほどほどの林道遊びを楽しみたいというユーザー層に支持されてきたバイクだったと思います。

ヤマハにおける車両比較ではWRとXTZですが、私が期待したフレンドリーな原付2種のオフ車という視点では、90年代にホンダとスズキからフルサイズ4スト車が出ていました。ホンダXLR125Rとスズキジェベル125です。今となってはとても貴重なバイクだと思います。この2台も私は発売期間に顧みることがありませんでしたが、新型WR125Rの特異性から、ふと思い出した次第です。

新型WRのように無理はせず、4スト125の非力さの範囲で初心者に優しいトレールバイクとなっていました。そこで両車のスペック比較をしてみます。

まだ日本の2輪市場に活気がある頃だったので、こういう車種もラインナップに並べる余裕がありました。2台とも輸出用ではなく日本国内向け、日本人が日本で乗るために作られた純国産バイクです。非力でパンチはなくても、そこそこの林道で遊んだり、街乗りで用足しにも気軽に乗れ、たまには下道ツーリングもできる、まさにフレンドリーなオフ車です。当時はカスタムもしやすく、例えばXLRには250のバハという傑作がありましたから、そのデュアルライトを流用して、こんな面白いカスタム車両もありました。

まるでバハ125ですね、何と大らかで自由な時代!当時はマイナー車種でも、今なら目を見張る個性が際立ってヒットするかもしれません。

新型WRのハードルが高いからといって、この「旧車」を探しても、元々生産台数も少なく、中古市場では割高な希少車となっています。仮に見つかっても、30年ほど経過した個体がほとんどですから、購入して乗り続けるにはこれまたハードルの高い選択になります。

従ってやはり新型を期待したくなりますが、125ccというフレンドリーなクラスのオフ車が、名門ヤマハからようやく復活したにも拘わらず、2ストDTのような突出した性能は元々4スト125では難しく、それよりも手軽に乗りこなせるメリットが大きい4スト125本来の立ち位置を、ヤマハはあえて一蹴したと言える新型WR125R。

新WRの第一弾は125でなくても良かったのではないか?そんな気がしてなりません。125よりも155の方が新WRのコンセプトにはマッチするのではと思うからです。XSRは結局155を出すようですから、非日常性に振ったWRならなおさら155であれば、ガレ場では125よりも走破性があり、VVAのメリットを活かせる高速道路も走れるので155の方が的確です。並行輸入されている現行WR155Rは、ボアスト比1.04・二次減速比3.92で、ずいぶん乗りやすい無理のない設定です。新型の125では下道だと過回転、かといって高速道路は走れない、林道ではすぐにエンジン回転数は頭打ちなのでは、もし私が購入したとすれば、どこを走ってもしっくりこないのが新型WR125Rなのではないかと思いました。XTZはたまたXLRやジェベルのような4スト125の特性に見合う素直なスペックではなく、敢えてその特性に見合わない無理なコンセプトに見えてしまう新型WR125R、

  これで本当に良かったのか?

以上が、試乗を経た私の率直な感想です。ヤマハはまず155を出してオフ車ファンの期待に応え、それからエントリーモデルとして手軽に乗れる125を出すべきでした。

なお、乗りやすさという点では同時期発売のスズキが復活させたDR-Zの方が排気量が400ccながらも、スリッパークラッチで操作はしやすく、ギヤ比も適正(二次減速比S2.86,SM2.73)で、日常ユースにも耐えられます。このバイクにも試乗しましたので、両車の排気量以外の違いもよく実感しています。

ヤマハはおそらく遠からず新WRシリーズ第二弾を出すと思いますが、今度こそ往年のヤマハファンも、若いオフ車ファンも溜飲を下げるシンWRの登場を期待したいと思います。

ICONe: はホンダの本気EVバイクだ!

今年2026年は2月末からのイラン危機に端を発し、日本でもガソリン価格が高騰し、よもや第3次石油危機襲来かと不安な日々の中、

3月23日、ホンダから新型EVバイクICONe:(アイコンイー)が発売されます。原付1種相当、近距離移動に便利なEVバイク(スクーター)です。この新型が実用的なレベルであれば、ガソリンエンジン50ccの原付1種に代わる電動コミューターになりえます。さらにガソリン急騰もしくは、ガソリン入手難という最悪の事態となれば、唯一の近距離移動手段として期待できます。

ICONe:、どんなバイクなのでしょうか?

ホンダの公式サイトを見ると、凹凸のないフラッシュサーフェスのフロントマスク、高輝度二眼LEDはセンス良くまとまっていて斬新な印象です。

シャッターキーも備えていて安心です。

USB typeAを装備、便利ですねえ。左側の扉付きフロントポケットには500mlのペットボトルも入れられます。

リアも先進的なデザインで、近未来のイメージでまとまっています。

反転液晶フルデジタルのメーターはとても見やすいと思います。ただ残念ながら、時計がないのは不便です。

バッテリーは家庭で充電できますが、重さが11kgもあるので、毎回外して屋内に持ち運んで充電するのは難しいと思います。また、高価なバッテリーの寿命が気になりますが、ドリーム店によると満充電2000回で5パーセントの性能劣化とのことで、毎日充電する使用状況でも、おそらく5年は性能を保持できるようで、もし航続距離が少しずつ短くなっても構わないオーナーなら、10年は支障なく使えるのではとの説明でした。

シート下収納スペースは26リットルもあり、とても使い勝手に優れたバイクです。スクーター型EVバイクのシート下は、バッテリースペースで収納がないのが通常だと思っていましたので、これならすこぶる実用的です。

EVバイクといえば出川哲朗さんの番組が有名で、このeビーノが人と人を繋ぐ大切な役割を果たしていましたが、頻繁に充電しなければならないのは、日常用途ではあまりにも不便極まりないと私は思っていました。

しかし、このeビーノと新型ICONe:のデータ比較をしてみると、驚愕すべき相違に気付かされます。

新型EVバイクICONe:はeビーノの2.5倍の航続距離を発揮し、車格もワンランク上、しかし価格は何と約10万円も安いのです。いくらICONe:がコストの安いベトナム生産とはいえ、考えられない安さです。

デザイン的には若い女性にはビーノの方が好まれるかもしれませんが、ICONe:も写真で見る限り、未来型のスマートなフォルムで、私にはけっこう刺さるスタイルです。

ICONe:の前から出ていたホンダのEM1eであっても価格は32万円、航続距離は53kmです。ICONe:の価格は22万円ですが、バッテリーは単体なら11万円、充電器は3万円、つまり本体はわずか8万円に過ぎません。通常の価格設定ではありません。

私には、今回のICONe:は単なる新型ではなく、ホンダがあえて戦略価格で市場に打って出て、アジアや日本の2輪市場に本気でEVバイクを普及させようという意図を感じます。今まで「EVバイクなんて使えないよ」と思っていた人に、「使い勝手の良い新型EVバイクをこんなにお値打ちにしましたから、一度お試しで乗ってみませんか?」こんなホンダのセールストークが聞こえてきそうな価格設定です。

そこで、早く実車を見てみたいと思っていたところ、地元のバイク屋さんに商談中の車両ではありましたが、そのバイクはありました。お店の方が快く撮影も認めてくれました。ありがとうございました!

ネットの画像よりも実物は好印象でした!質感はかなり高いです。安いからといってけっしてチャチなボディではなく、そこは世界のホンダ、シビアな使用状況にも耐えられそうな堅牢さも感じられます。

ちょうど隣にあった原付1種のスーパーカブFEと比べると、ICONe:は思ったよりも大きな車格であることに驚きました。ライト周りはスーパーカブのレッグシールドを思わせるカラーリングです。

フロアボード下にバッテリーが格納されることで広いフロアが実現し、そのおかげでシート下は広い収納スペースの確保が可能になっています。スクーターとして日常での使い勝手の良さを、合理的に追求した結果かと思います。

シート後方のグリップも握りやすく、取り回しでの便利さも配慮されています。シートは厚めで乗り心地も良さそうです。

インホイールのモーター。各種駆動系部品を省き、エネルギー効率も良くなります。

リアもしっかりフェンダーに覆われて、泥はね防止効果は万全です。

右側フロントポケットにも小物が入りとても便利です。

 

問題はこの充電器プラグです。アース付きの3極プラグ、一般家庭のコンセントで使うには3P→2P変換アダプター(300円程度)が必要です。

以上がホンダの新型EVバイクICONe:の実車を見ての感想でした。戦略的超コスパと2輪EV市場開拓へのホンダの「本気」に触れる1台。この発売時期が折しも石油危機再来懸念と重なりました。刺激に満ちた高性能さ渦巻くバイク界にあって、移動手段としてのバイクの基本ここにあり!とのホンダ開発陣のポリシーが伝わってくる1台です。毎日の足としての条件を満たすEVバイクが、いよいよ日本に登場したと思います。

これからホンダはUC3やWN7など次々とハイレベルで魅力的なEVバイクを出しますが、まずはこのICONe:。ガソリン価格が現在(2026年3月中旬)で183円、もし燃費50kmの原付が50km走れば燃料代が183円、ICONe:は81km分の距離を100円ですから、50km走行に換算すれば、電気代は62円となります。

ガソリンバイクの33%のコストで走れるICONe:は、万一ガソリンスタンドが給油不能に陥っても、電気で最低限の移動が可能ですから、非常時対応の車両としての機能を持つことになります。

近辺の複数のドリーム店に在庫状況を問い合わせると、発売前なのにほぼ売り切れていました。ガソリン価格急騰直後、急にICONe:目当ての来店者が増えたそうで、ドリーム店では今予約しても納車は7月頃になるとの事でした。やはり、第3次石油危機など先行き不安を案じた人が、安心なEVバイクの確保に走ったものと思われます。

早期にイラン危機が収束すれば、こんな発想は不要になりますが、日本のような石油輸入依存国には極めて不確実な時代に入り、信頼に足るコミューターとしてのEVバイクICONe:に、私は一筋の光明を見る思いです。

   「備えあれば憂いなし」

ヤマハPG1を考える

ホンダのハンターカブのようにダートも走れるアンダーボーンの原付バイクがヤマハのPG1。メーカーが正規販売しないので、並行輸入車しか手に入らないはずなのに、最近では街中で見かけることがあります。

それもそのはず、輸入車専門店だけでなく、YSPが店によっては扱うようになっているようです。案の定、私の地元のお店にもちゃっかり置いてありました!

これはいいですねえ!私はハンターカブよりもこちらの方が好みです。見た目ではカラーリングとスタイルがとてもカッコイーです。しかもソリッド感のある引き締まった車体。24年式はキャブ車でしたが、26年式からFI化され、前輪にはABSも装備しています。排ガス規制さえクリアーできれば、メーカーが正規販売してもおかしくない車両です。並行輸入車でも、これだけ魅力的なら心動かされるライダーが多いのにも頷けます。

メーターは24年式はアナログでしたが、このタイプからXSR125と同じデジタルメーターになっています。オプションでリアキャリアも付けられるそうで、ツーリングから街乗り、通勤通学にも使えます。もちろん林道遊び程度ならOK!原付ながら万能車と言えます。

ホンダのハンターカブが圧倒的に強いカテゴリーですから、データ比較をしてみました。(PG1の最高出力とトルクは24年式)

どちらもロングストロークですが、PG1の方がギヤ比でローギヤード。試乗したことがないので分かりませんが、悪路では車重の軽いPG1が強くても、バイパスや幹線道路ではハンターカブの方が走りやすいかもしれません。いわゆるネコも杓子も状態のベストセラーであるハンターカブブームに食傷気味の方々は、PG1を選択することでしょう。ただ他の車種でもそうですが、並行輸入車にしてはやはり高いです。私には5万円程高い印象です。ハンターカブがリアキャリア標準装備ですから、もしPG1にリアキャリアを後付けすればほぼ同額になってしまいます。メーカー保証はなく、メンテナンスが購入店でしかできず、リセールバリューも低いのに、正規販売のハンターカブと価格が同じでは、コスパが悪すぎます。

従って、やはりヤマハには早く正規販売に踏み切って欲しいのが本音です。

大いに魅力あるPG1、私はPG1の正規販売が本当に待ち遠しいと思った次第です。ヤマハが早く国内導入すれば大ヒット間違いないのに、実にもったいないなあと、店頭の2台を見てつくづく思いました。

 

追記(2026・7)

2026年6月、ヤマハはこのPG1の商標登録を行いました。ついに国内正規販売への布石なのでしょうか。おそらく来春のモーターサイクルショーで披露し、来夏発売開始なのかもしれません。この件をスクープしたメディア(オートバイ)は、横行する並行輸入車への牽制という慎重な見方もありうるとしていますから、手放しで喜んではいけないようですが。まずはメーカーに動きがあったのは事実ですから、素直に喜びたいと思います。

 

ZONTESの原付クルーザーが面白い!

バイク用品大手のナップス(横浜の幸浦店)が中国の新興バイクメーカーZONTESの原付クルーザーの販売を始めるそうです。ZT125-C2。125ccながらこのスタイル、カッコイーですねえ。ホンダがもしレブル125を出すのならこんなバイクであって欲しいと思わせる程の出来映えです。

ブラックも用意されていて日本人にも受け入れられやすいカラー構成です。

このラジエーターガードからエンジンガードにかけての一体的なデザインは特に素晴らしい!

シートもあえてセパレートではなくダブルシートを採用し、リアフェンダーへの流れるような曲線が美しい!マフラーはショートでモダンなクルーザーデザインとなっています。ZONTESはかなり優秀なデザイナーを擁しているのでしょう。

ZONTESのzt125-c2は日本人から見ても、大いに魅力あるスタイルに仕上がっていると思いました。

輸入元のTMCがスペックを公開しています。

水冷エンジンのタフさに、16.5リットルのビッグタンクを備え、ギアは6速、カタログ上の定地走行燃費が55.5km/Lですから、計算上の航続距離は915kmにもなります。ただ、日本の市街地(下道)での実質燃費はおそらく40km/L前後、航続距離は600km/Lと思われますが、それでも驚異的です。クラッチレバーの硬軟が気になりますが、YouTubeの試乗動画ではクラッチレバーが相当軽いとの事でしたので、おそらくスリッパークラッチだと思います。従って原付であっても下道ロングツーリングの頼もしい相棒になりそうです。人気のレブル250よりも一回り小さなクルーザーでパワーも非力ですが、足付きの良さやレブルより20kg軽い車重で取り回しも楽で、私のような高齢者にも優しいバイクかと思います。

装備面も充実していて、先進的なキーレスシステムでスマートウォッチ型のキーを採用しています。

ハンドルロックやフューエルキャップの開閉が電子制御です。

そのため左右スイッチボックスも、とてもメカニカルです。

USBはA・Cタイプを標準装備

メーターはTFTカラー液晶。

テールライトは前衛的な埋め込み型LEDラインですっきりしたリアです。

随所に斬新なアイディアが盛り込まれています。スタイルや装備がこれだけ充実していれば、車体価格46.7万円(乗り出し55万円)もけっして中国製であっても高くはないのかもしれませんが、新規開拓の日本市場ではできれば乗り出し40万円台で出して欲しかったです。購入者が神奈川県以外なら陸送費がかかり、せっかくのメーカー保証(1年)が付きますが、深刻な故障が生ずると県外オーナーなら横浜の幸浦店への往復陸送費が自己負担としてのしかかります。従ってファミリー特約ではなく専用の任意保険が必須です。

さて、ZONTESとはどんなメーカーなんでしょうか?メーカーのホームページては、設立は2003年中国の広東省、資本金は日本円換算で約520億円、従業員は3600人でその中の1000人が研究開発要員、工場の製造工程は自動化等最先端技術が採用され、おそらく世界的に見ても例のない車体組立パーツの高い内製率で、コスト削減と品質向上を実現しています。他社製はタイヤとインジェクションだけだといいますからその点でも驚異的です。もはや中国製は安かろう悪かろうとの先入観は時代遅れになるのかもしれません。

2010年代には欧州やアジア71ヶ国に販売網を展開するほど急成長しています。

日本では2019年、

このZT125Vで上陸、空冷ながら21万円という低価格で販売されていました。

2021年には

水冷のZT125-Cが発売され、モデルチェンジされて今回のC2となっています。

150ccも併売されるようですが、私はなんといっても125の原付に関心があり、詳細を知るにつれ国産にはない面白いバイクだと思いました。

原付クルーザーではかつてレッドバロン

GZ125HSというボバースタイルを爆安価格で出していましたし、最近ではウィングフットがレオンアートの水冷並列2気筒ヘリテージ125を販売していました。

現在の極め付け注目車はヒョースンGV125Xロードスター、Vツインの原付が先月登場しました。(68.2万円)

125ながら実に魅力的なマシンの数々がかつては展開されていましたが、残念ながら日本メーカーのラインナップにはこういうバイクは今ではありません。おそらく今後も出ないのでしょう。日本の道路事情で日本人がのんびりと身の丈に合ったバイクライフを楽しむには、こうした個性的で経済的な原付が選択肢にあってもいいのではないでしょうか。

全国33店舗を展開する大手のナップスが国内販売にチャレンジしてくれますが、中国製につきまとう品質や耐久性への不安はなかなか拭えませんし、ましてや電子制御を多用していますから、万一電装面で故障すれば、旅先では致命的です。

さらに某バイクショップの方からZONTESというメーカーを快く思っていないというお話を聞きました。数年前にZONTESがいきなり日本から撤退してしまい、この方を含めた取引業者やユーザーを混乱させた過去があるとのことです。製品の品質がほぼ問題のないレベルだとしても、日本のユーザーは購入後は長期的なメーカー対応が可能かどうかという不安を抱くことになります。

とはいうものの、日本メーカーには望めないテリトリーでの魅力ある中国製ミニクルーザーに、今回は高齢ライダーとして私はとても興味を持ちました。新興ブランドゆえの不安はあっても、大いに検討に値するZONTESのZT125-C2。維持費の安い原付なのに、レブル似のカッコ良さに超航続距離のクルーザーモデルは国産にはありません。もし乗り出し価格が40万円台だったら、もっと反響が大きいと思うのですが、乗り出し55万円では多くの方はおいそれとは手が出せないリスク含みの販売価格かと思います。私のような県外者からの発注であれば陸送費を含めて60万円近くにもなります。私のシルバーライフに寄り添ってくれそうなZONTES ZT125-C2ですが、残念ながら現状のままでは購入対象にはできません。

2輪メディアやYouTubeでは好意的に報じられてはいますが、少なくともナップスさんの販売方針では実質的に横浜地域限定販売と思われます。他地域ではTMC提携店の地元ユーザーか、電装系すら自力メンテナンス可能な凄腕ユーザーが購入可能なバイクでした。とはいっても、全国のユーザーが購入可能になるような今後の展開に期待したいと思います!

ZT125-C2の全角度ビュー、実にカッコイーなあ!

最後までお読みいただきありがとうございました。

待望のW230に思う

カワサキの軽二輪クラシックが久々に復活しました。このクラスではもう空冷単気筒は出ないと思っていましたので、厳しい排ガス規制をクリアしながら、走りや燃費のレベルも向上させるカワサキの技術は本当に素晴らしいと思います。また、国産軽二輪にはクラシカルが途絶えていましたので、その復活もまた嬉しい限りです。

多くのエストレアファンにとっては、この新型W230はその後継であってほしいと期待していたと思います。私もかつてエストレアRSに乗った事がありました。外観も走りも貴重な国産クラシックとは思いましたが、高速走行の不便さで手放しています。その課題は克服されたのかどうか気になります。

W230がエストレアの再来なのかと期待の声は大きいのですが、実は東南アジア向けにエストレアはW250の名で生き残っていて、画像で見る限りw230はメッキパーツを多用しない点でエストレアよりはそのW250に外観上は似ています。

日本ではWシリーズは最近ではこの800という旗艦だけでして、カワサキの聖域とも言うべき伝統車です。私もかつて乗った事がありまして、W1の系譜を継ぐ産業遺産級の名機だけあって、見て・乗って・磨いて嬉しい、所有する満足感が大いにありましたが、夏場の股火鉢や渋滞時のオーバーヒート問題で手放した経緯がありました。その問題がクリアできそうな軽量な新型W230は、果たしてどんなバイクなのでしょうか?高速走行にも耐えられるのでしょうか?発表当初から大いに興味がありました。

そこで、近くの量販店に実車が入りましたので、さっそく見に行きました。

軽二輪らしいこじんまりした佇まいですが、カラーやスタイルはまさにWの雰囲気で、とてもカッコイーと思いました。

正面から。標準装備のフォークブーツが精悍なイメージを演出していますし、LEDライトも違和感がありません。

エストレアと異なり、前後フェンダーはタンクカラー同色のスチール製になっています。

2連メーター。800と共通のようで、クラシカルなメカ感がいいですね。

エストレアのバーチカルエンジンのような美しさはありませんが、冷却フィンを強調し、クランクケースはベースのKLXとは異なる丸い造形で、どことなくエストレアを意識した形状にしています。

兄弟車のKLX230

派生車であっても、その車種の位置づけに合わせてクランクケース形状だけでなく、内部のクランクマスも変更、さらにエンジン特性も変えています。KLXでは18ps/8000rpm、19n-m/6400rpm。W230は18ps/7000rpm、18n-m/5800rpm。明らかに中低速重視にチューニングされています。回して楽しむのではなく、ゆっくり流して景色を楽しむ、というエストレアのコンセプトは引きつがれているのかもしれません。

なお、サイレンサーにはエンジン裏に回り込ませた触媒が組み込まれています。一見したところでは分かりませんから、カワサキの優れた美意識を感じます。

店頭でみる限り、W230は足付きの良さ・軽い車重・前傾にならない乗車ポジションなど、シニアライダーにもとても優しそうなバイクですから、一度試乗してみたいと、地元のプラザ店に行きました。

お店の方がレンタル用の車両を快く試乗に用意していただき、2km程度のコースを走らせていただくことになりました。プラザさん、ありがとうございました!

エンジンをかけると、右側のタコメーター内に多くのインジケーターが点灯し視覚効果抜群、クラシカルなバイクに意外な現代性も感じました。

試乗コースにて。ホワイトもなかなかカッコイーですね。試乗車ながら写真を撮らせていただきました。

W800はカスタムしようのない完璧な美しさや、心地良い排気音と鼓動感、空冷ビッグツインの圧倒的なパワーでライダーを魅了する名車。そのスケールダウン版であるこのW230を目の当たりにすると、確かにその片鱗を感じはしましたが、乗ってみれば基本的にはお洒落なレトロネイキッドの位置付け通りだと思いました。ただ、パワーは誇れませんが、必要なパワーはあると感じましたし、車体が軽いので、その分取り回しは軽快で扱いやすいはずです。肩肘を張らずに乗りこなせる手軽さがあります。

現行の800にも採用され、現在では広く標準になりつつあるスリッパークラッチが装備されなかったので、W230のクラッチレバーは私にはやや重いと思いましたが、かつてのエストレアRSよりは軽くなっています。今回の試乗に関してはスムーズな道路状況だったので、苦になる事はありませんでしたが、握力が衰えてくるシニアライダーには要注意かと思いました。

シートからタンクに至るデザインも秀逸で、クラシック好きにはシュッと刺さる美しさです。

わずか10分程度でしたが、新型のW230に乗らせていただき、私なりの感想を述べたいと思います。

まずもって、こんな素晴らしいクラシックデザインのバイクが、耐久性抜群の空冷で再登場しただけでもうれしくなる試乗でした。そして、初心者には入門機として最適ですし、シニアライダーには「足るを知る」老境に相応しい1台だと実感しました。下道では穏やかにオーナーの生活に寄り添う車両でありながら、実用的なエンジンとオーバートップ6速ギヤ、さらにバランサー内蔵でおそらく高速道路ではエストレアよりも高い巡航速度で振動も少なく、遠出も難なくこなせる走行性能だと思いました。

カワサキお見事!と、言いたいのですが、残念ながら、以下このバイクへの疑問を述べたいと思います。

まず、シートとリアサスが堅く、路面の凹凸をダイレクトに拾います。若い方ならさして痛く感じなくても、シニアには長時間は難しいかなと感じました。また、低いシート高の宿命ですが、身長171cmの私でも着座姿勢は窮屈でした。さらにアイドリングが高すぎます。暖機が終わっても2000回転近くから下がらず、過回転気味かなと思いました。これは鼓動感の演出であるとか、初心者のエンスト防止機能ではないかとの見方もあるようですが、私には気になるアイドリングの高さでした。

わずか2kmばかりの試乗での素人の感想に過ぎませんので、今後のオーナーレビューをYouTube等で注意深くみていく必要がありますが、エストレアRSとは全く違う乗り味でした。エストレアのようなどっしりとした走りではなく、オフ車ゆずりの軽快な操作感とややショートストロークに寄せての心地よいレスポンスが感じられました。W800やエストレアはやや前傾の姿勢で苦痛になる時がありましたが、W230はハンドルがエストレアよりアップされていて、ほぼ直立姿勢になりましたから、ツーリングでの疲労は軽減されると思います。それだけにクラッチワークを考慮したスリッパークラッチが装備されなかったのは残念です。

なお、プラザ店によると、同じFi車の上級車種ならアイドリング調整が可能でも、エントリークラスのW230ではできないそうですからアイドリングの高さは変えられません。その上、堅いシート対策としてゲルザブを敷けば、均整のとれた美観を損ねますから、純正ハイシートの販売が待たれます。本機を購入する男性ライダーは膝下の屈折率が高いまま窮屈な乗車姿勢を強いられます。

今の時点で言えることは、総じて若者向けのバイクだということです。カタログもそのコンセプトで作成されています。エストレアへのノスタルジーで接するのは本機への正当な評価を歪めます。エストレアのようにメッキを多用して、煌めくような美しさを纏う意図はW230(2025)にはありませんが、日常ユースではキビキビ走り高速道路でも支障なく走行できるオールマイティさが新たに施されています。

ここで、W230とエストレアのスペックを比較してみます。

クラシカルカテゴリーとしては共通していますが、W230はKLXというオフ車からの派生車ゆえ、軽量さが旋回性能に寄与しています。エストレアのロングストロークエンジンが醸し出す味わいある走りはW230には期待できませんが、オフ車的な操作感をクラシカルバイクに反映するメリットを期待できそうです。軽快なストリートバイクらしく、ひらひらと操れる街乗りの楽しさがこの新型の特長と思われます。しかし、市街地渋滞でのクラッチ操作の疲労を軽減されないのは、エストレアよりも航続距離が伸びているのに、クラッチが重めのままでは整合性が取れません。

なお価格面ですが、昨今の物価高を考えればけっして高くはないのかもしれませんが、電装面や足回りが貧弱で古風なタイ製車両に約66万円(2025)というのは、考えようでは割高であり、私にはせいぜい56万円が妥当だと思いました。

W230と共に登場したメグロS1はメグロ100年の記念車両を標榜していますが、海外製ではなく国内製造で出すべきでした。メグロS1はこのW230よりもさらに高い74万円(2025)ですが、せめて国産最古ブランドのメグロの名を冠するなら、日本の赤石工場で組み立てだけでも行い、形式的でも国産車となるメグロS1であれば、74万円を出しても惜しくないファンは多いはずです。

今回、カワサキが放った新型クラシカルW230、多くの若者や女性ユーザーを惹きつけるバイクには違いありませんが、メグロS1を含めて、私には疑問もある新型車でした。カワサキのWシリーズ、800では重すぎる、かといってこの230はシニアにはやや不満のある新型車でした。もしラインナップの続編があるのなら、W400の復活を望みたいです。800よりは扱いやすく、シングルの230よりは高速道路でパラツインの強みを活かせるミドルクラスのWがもし出れば、私にはとても魅力的です。

Webikeさんはかつて、今回のメグロS1が往年のメグロS型ジュニア(250)の復刻なら、メグロY型(350)レックスの復刻として350版メグロもありうるとスクープした事があります。この情報に信憑性があるのなら、同時並行でW350での復活も期待できることになります。

スズキも触媒を強化したり、エンジンも同型のままブラッシュアップしてDR-Zを復活させていますから、カワサキにもできないはずはありません!

最後までお読みいただきありがとうございました。(2025年1月)

 

追記

2025年9月、W230は早くも2026年モデルが発表され、カラーリング変更がありました。タンク同色のスチール製前後フェンダーが美しいメッキフェンダーになりました!これはいいですねえ、もし、バックミラーやウィンカーまでエストレアのようなメッキに換装すれば、外観はかなり美しくなります。若者向け路線のW230ではありますが、中高年にも受け入れられやすい要素が強くなったと思います。

さっそく地元のプラザ店に見に行きました。

タンクはグリーン、シートはホワイトとのツートンに、前後のフェンダーはともにメッキフェンダーになって、登場からたった1年で、まるで違う美しさを纏ったボディになりました。

隣に2025年モデルのブルーもありましたが、このブルーが2026年モデルのメッキフェンダーへ、メッキウィンカー・メッキミラーはエストレア純正品に換装すればあたかもNewエストレアもしくはW800ジュニアです。そこで本家本元の旗艦W800ブルーとW230ブルーのChatGPTで作成したメッキカスタムしたAI画像を比較してみました。

 

 

いいですねえ!230が800そっくり、旗艦のほぼ相似形になりました。800の均整のとれた美しいクラシカルスタイルが、この230にもしっかり受け継がれていることがよくわかります。

さすがカワサキ、外観の修正が迅速で幅広いファン層にアピール可能になったと思います。私個人にとっても懐かしいブルーのW800ジュニア化が可能で、大いに興味の持てるバイクになってくれました。これで心おきなく言えます、カワサキお見事!

 

 

REの意欲作ヒマラヤ450に痺れた!

 ロイヤルエンフィールド(以下RE)初の水冷アドベンチャーが日本にも入ってきました。クラシックシリーズやメテオシリーズで空冷単気筒ファンを魅了してきたメーカーが、満を持して送り込んできた新機軸。

 空冷の旧型ヒマラヤ411の基本デザインは受け継いでいるものの、中身は大幅に刷新されています。まずは基本スペックを比較してみます。

 排気量41cc増での水冷化はもちろんですが、ロングストロークからややショートストロークへ、レスポンスのいいDOHC化、高出力化、高速走行を考慮した6速化、フロントサスが正立から倒立へ、燃料タンクの容量増、メーターはアナログからスマホ対応TFTカラー液晶へ、スポークホイールチューブレス(日本仕様)。前後サスストローク200mm、クラッチはアシスト&スリッパークラッチ。灯火類はフルLED化していても、ヘッドライトは丸目を保持しています。カラーには

 

 ヒマラヤ豹のようなカラーパターンのホワイトも用意されています。独得のかっこよさで、こちらの方が売れているそうです。

 旧型から相当刷新されていても、REのファンに違和感なく受け入れられるオーソドックスなデザインと、必要最小限の電装化で価格も抑えられています。REジャパンのホームページから各部詳細を見てみます。

 スリッパークラッチについては、輸入代理店REジャパンのホームページには明記しておらず、ディーラー(2軒)に聞くと手元の仕様書(REジャパン)には載ってないので、スリッパークラッチは装備していないとキッパリ言われました。しかし有名な速報サイト「個人的バイクまとめブログ」はRE本国インドのHPから直接引用してスリッパークラッチ搭載としています。

メーカーのホームページを確認すると、

 案の定、輸入代理店REジャパンはここを見落としていたものと思われます。ただ、日本仕様にチューブレスを用意したREだけに、日本仕様でアシスト&スリッパークラッチを外したのかもしれません。スズキの中国製Vスト250の例もあります。

 クラッチ操作の軽さは私のような高齢ライダーにとっては大きな問題ですから、ディーラーに実車を見に行く機会があったら、そこはきちんと確認したいです。

 そう考えていた矢先、静岡市のディーラーが開設した浜松市ショールーム(ピットなし)に実車が入りましたので、さっそく出かけてみました。

 実車の第一印象は、ギュッと引き締まった精悍なクロ!車格はカワサキエリミネーター400とほぼ同じくらいのサイズで、奇をてらわず地味なスタイルでありながら、エンジンガードやアンダーガード、頑丈そうなリアキャリアなど必要なパーツはほぼ標準装備されています。REらしい合理的な設計思想が見て取れます。フロントフェンダー後部のエクステンドが実用的で好感が持てます。

 肝心のクラッチレバーはとても軽かったです。同店には旧型の411も在庫しており、レバーの握り具合を比較できましたから間違いありません。明らかにアシスト&スリッパークラッチを装備しています。

 クラッチ操作も軽く、渋いスタイルに程よい車格。こうなると、私のような高齢ライダーにはかなり検討の価値あるツーリングバイクだと思えて来ました。400ccクラスは日本では中途半端な排気量としてみられがちですが、日本の道路事情やシニア世代の体力を考えれば、乗りこなせる上限排気量だと思います。リッターバイクは持て余す、かといって250ではパワー不足だと考えるライダー層には最適なクラスです。

 このヒマラヤ450の本体価格は90万円と安く抑えられてはいますが、如何せん輸入車。諸費用がかさんで乗り出し価格は108万円にもなります。メーカー保証が3年つきますが、オイル交換や定期点検が購入店実施での条件となります。また、リセールバリューはハーレーやBMWという人気ブランドと比べれば格段に不利なのがロイヤルエンフィールドREです。

 従って衝動買い禁物の車両ですから、ぜひ試乗して実車を吟味する事が必須になります。この浜松のショールームで試乗できればいいのですが、残念ながらさらに別の店でないとできませんでした。そこで恐ろしいほどの暑さの中、愛知県豊田市が全国で最も暑い気温(39.1℃)を記録したその日、豊田市西端にあるディーラーへ行ってきました。

 灼熱のインドから来た鉄馬は、日本のギラギラした太陽にも耐えられそうな佇まいで、見るからにタフで頑丈そうなバイクです。

 タンクの燃料は少量なのですか、取り回しはけっして軽くはありません。もし、満タンにしたら200kg近くの車重はずしりと堪えます。ただ、標準装備のリアキャリアのテンダムグリップのおかけで、取り回しに不安はありません。

 残念なのは、このリアの画像。どう見ても車体が大きく左に傾き過ぎています。ヒマラヤ越えの荷物満載のためにサイドスタンドが短かいのでしょうか。ここは日本ですから傾き補整のため、見た目を犠牲にしてゲタを履かせるか、ロングのスタンドが欲しいところです。

 さて、エンジン音ですが、単気筒らしいパルス感が心地良いです。1周2kmの試乗コースを2周させていたたきました。感想としては、まず足付きはとても良かったです。乗車時は傾き過ぎなのでスタンドを払うのに車体の重さは感じます。両側に張り出したビッグタンクはアドベンチャーらしい迫力がありました。車重ゆえか発進時はやや鈍重に感じましたが、走り出せばさすが450、加速感は壮快で、250では得られない走りっぷりです。バランサーやテーパーハンドルの効果で走行時の振動もあまり感じませんでした。ニュートラルも入りやすかったです。

 日本のSHOWAと共同開発した専用サスペンションで悪路走破力を一層高め、水冷化で高速道路でも安定した走りを見せるであろう新型ヒマラヤ450、正真正銘のオンオフ両用車です。媚びることなく無骨な外見ながらも、最新のテクノロジーを身にまとうREらしさに痺れました!燃費は非公表なので航続距離が正確には分かりませんが、モーターサイクルショーで説明員の方が燃費は約30km/Lと話されたそうですから、航続距離は約450kmはあるのでしょう。アドベンチャーバイクとして非常に秀逸なポテンシャルを持っていますね。

 試乗させていただいた豊田店によるとこの新型ヒマラヤは非常に反響が大きく、既に年内の入荷分は完売、今、契約しても最短で年明けの納車との事でした。

 REはかつて粗悪なインド品質で酷評された時期もありましたが、最近では深刻なトラブルはないようです。それでも外車をツーリングバイクとして使うなら、メンテナンス面での安心感には、ディーラー網の充実が必要です。しかし愛知県ですらディーラーはこの豊田店だけで、全国でもピットのないショールームも含めて43店舗、この数は圧倒的に首都圏中心で、地方はスカスカの状態です。しかもREディーラーで購入しても、豊田店は他店の車両には別途持込料がかかり、静岡店に至っては他店購入車両は一切受け入れないとのことでした。つまり、店舗間の連携が全く構築されていません。

 こうした状況から、購入に際しての価格交渉もできません。旧代理店時代は今より多くの販売店がありましたが、代理店のグリップが甘かった故の弊害があったそうで、現在の代理店は堅いグリップで各ディーラーを統制し、ディーラー間競合を防いでいるようです。静岡店の話では、新規のディーラー開設は、REジャパンのハードルが極めて高く、これ以上の販売店網拡大は厳しいのではとのことでした。もっとも、外車全体が似たような状況にあるようですから、国産車にはないキワモノとして惚れ込んだら、乗る喜びだけを考えて買うべきで、国産車のようにコスパ意識を持ち込んだら外車は買えないのかもしれません。

 それでも購入に踏み切れそうなら、せめてロングツーリング好きのライダーがREを購入するには、割高でもお店の推奨する任意保険に入って、購入店によるロードサービスを万全にするか、自ら基本的なメンテナンスができて、ディーラーに頼らないだけのスキルが必要です。

 そこで、ひとまずは安心な国産400のアドベンチャーも検討すべきですが、ホンダのNXしかありません。スペックを比較してみます。

 私はNXに試乗したことはありませんが、カタログだけで判断すれば十分な性能かと思います。両者はオフ車ベースかロードバイクベースかの違いがあります。なお、400Xであればドリームで見た事がありますが、絞られたホイールベースの割には重量感があり、取り回しに若干不安を感じた記憶があります。

 前衛的でなかなか魅力的なデザインですが、シニアには果たしてこの近未来的なフェイスはと言うと、二の足を踏むシニアも多いかと思います。その点、ヒマラヤの真正保守のデザインはしっくり馴染めそうです。

 なお、200kg近い車重のヒマラヤと異なり、同じエンジンの派生車(車重185kg)が早くも発表されています。ゲリラ450

 これまた素晴らしいバイクですね。ただ、燃料タンクが11リットルしかありません。街乗りバイクかと思います。

 そこで国産アドベンチャーの雄スズキ。旅好きのシニアに400のアドベンチャーを用意できないでしょうか。私は大いに可能性はあると見ています。それは名車DR-Z復活がほぼ確定しているからです。

 今時コストをかけて1車種のみの開発や型式認定はありえませんから、必ず派生車を出すはずです。だとすると

 ジェベル400 か Vストローム400

 が出る可能性があります!?

 そこで仮に2気筒Vスト250やVスト650廃盤後には、Vスト400がその穴を埋めるべく登場するかもしれないと想定してみます。妄想めいた推測で申し訳ありませんが、旧DR-Zと勝手ながらVスト400の想定スペックを作成して比較してみます。

 スズキの販売店の方のお話しでは新型DR-Zは排ガス規制をクリアするだけの小幅な改良とのことですから、あえて基本スペック据え置きで作成してみました。DR-Zの俊敏な走りをベースに、250アドベンチャーよりも軽い車体をもし実現したら、驚異的なアドベンチャーの誕生です。こんな新型車がスズキから出たらいいですね。

 今回、REのヒマラヤ450を考察してみました。

 RE渾身の意欲作、バイク界最古ブランドらしい気骨さの漂う一台でした。しかし、日本では外車部門シェア5%のマイナーブランドゆえの不安が拭えず、買い換え時の下取りも不利ですから、できれば日本メーカーにこのような骨太バイクを希望したいのが正直なところです。

 安心な国産アドベンチャーで、オフ車ベースの400。これなら軽くて扱いやすく、価格もシニアの手が届く範囲のはず。ニーハンからの乗り換え需要もあると思いますので、もし、ヒマラヤ450が大ヒットするようなら、スズキにはDR-Zベースのアドベンチャーをぜひ検討して欲しいです。

 もし、国産メーカーにそういう動きがないようでしたら、REのヒマラヤ450は日本人の身の丈に合った中級アドベンチャーとして、旅好きライダーに認識されていくと思われます。今回取り上げさせていただいたロイヤルエンフィールドのヒマラヤ450は、日本のアドベンチャー市場に一石を投じるだけのインパクトある一台ですが、新規購入には勇気が要ります。日本のユーザーが安心して購入できるように、せめて購入後のアフターサービスを充実させるディーラー間連携や店舗網拡大が早急に望まれるところです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました!