しょぼくれライフ

バイク趣味のしょぼくれた老ライダーです!高齢者の立場からの各種バイク批評のブログです。

ヴェルシス250ファイナル(!?)登場

 カワサキのヴェルシス250(VERSYS-X 250TOURER)が2年ぶりにカラーリング変更しました。

 カワサキ車の定番キャンディライムグリーン&メタリックフラットスパークブラック(緑&黒)に加えてメタリックオーシャンブルー&パールロボティックホワイト(青&白)です。

 ただ、新色の展開だけとは言え、Zやニンジャ、Wという人気シリーズと比べるとどこかカワサキの消極的な姿勢が目立ちます。2月1日発売なのに中旬を過ぎてようやくプラザ店にカタログが届きました。まずもって発売から5年間、カラー以外に何も手を加えていません。販売面で成功したとはいえないモデルなのに、こんな事があるのでしょうか?そこで、このモデルの誕生からの経緯を振り返ってみたいと思います。

 2017年に軽二輪初のアドベンチャーとして注目されました。大型が居並ぶアドベンチャー部門に国産ブランドが初めて送り出した意欲作で、発売当初は完売続きのヒット作でした。

 ところが、直後に中国製で格安のスズキVストローム250が出ると、あっという間に販売面では後塵を拝してきました。

 
 GSR250の外観だけをアドベンチャー化したVストと異なり、フレームやサスペンションなどを専用設計した真面目な造りは、多くのライダーの共感を呼んだと思います。
 ただコンセプトの詰めが甘く、ツーリングバイクを志向しながらシートが硬いし、チューブタイヤであったり、オフ車風にフロントトラベルを長く取っていますが、航続距離を確保しようと17リットル大容量タンクを搭載したため重心が高くなります。このため低速時の不安定さから立ちゴケ不安がつきまとい、車重がVストより11kgも軽いのに、満タン時の取り回しには大型車並みの慎重さを要するというハンディが生じました。
 アドベンチャーにとって最も大切な積載性についても稚拙でした。

 ヴェルシスはパニアケースをボルト締めで装着する不便さのみならず、両パニア装着時は肝心のトップケースが耐荷重オーバーで使用不可となります。つまりパニアを使えばトップケースは使えず、トップケースを使えばパニアは使えないのです。これはメーカー推奨内の使用基準ですから、まれにフルパニアのオーナーも見かけますが、何かあったら自己責任という事になります。

 対してVストはこの写真のようにワンタッチでパニアを脱着でき、トップケースを含めフルパニアが可能なので、積載性の面でもVストが有利でした。

 さらにエンジン自体が、熟成されてはいても1985年開発の古いエンジンを用いたため、ロングストロークエンジンで低燃費のVストに比べ燃費が悪く、エコ重視の昨今では不利になります。



 それでもこのヴェルシスはスリッパークラッチを他社に先駆けて採用してライダーの負担を減らしています。

 前輪19インチ採用で走破性能や旋回能力の高さを実現しています。

 高回転型ならではのレスポンスの良いエンジンフィールで高速道路も快適に走行できます。

 カウル内の排熱対策ヒートマネージメント、よく考えられた装備で、夏場の渋滞時にはライダーを排熱から守ります。

 このようにカワサキらしいポリシーやテクノロジーが随所に込められた優れたバイクです。
 それなのにどうしてもこのモデルは、素人目にも明らかなチグハグ感が拭えません。市場投入を急ぐあまり、開発段階のまま性急な販売に踏み切ってしまったからでしょうか?あるいは

 かつてのデュアルパーパス「アネーロ」(1991年)へのオマージュを意識して中途半端なコンセプトに陥ったのでしょうか?アネーロの型式はLE250Aでヴェルシスは2BK-LE250D、明らかにヴェルシスはアネーロの後継機として位置付けられ、アドベンチャー化すべく開発されています。
 アネーロの不評原因だった航続距離の短さ等を克服しようとしましたが、アネーロ同様オンオフ両用をめざしながら、250ccなのにミドルクラスの車格を持たせたのが今回のヴェルシスで、結果的に「二兎を追う者は一兎をも得ず」に繋がったのです。
それに対してホンダは

 AX1(1987年)の復活ではなく、CRF250rallyというオフロード車CRF250Lの派生アドベンチャーとして成功、スズキのVストロームはやはりジェベル250(1992年)復活ではなくGSRというオンロード車の派生アドベンチャーとして成功させたわけですが、カワサキは前二者の中間を目指すアプローチでした。日本の市場では残念ながら十分には理解されませんでしたが、私はカワサキのこのオンオフ融合をめざす正攻法で独創的な姿勢を高く評価したいと思います。

 さて、販売低迷後もヴェルシス250の迷走は続きます。当初、スタンダードとツアラー(フル装備)の2本立てでしたが、発売から2年後(2019年)スタンダードが廃止されました。

 純正パニアで張り出しの大きいツアラーのみになったのですが、250には見えない大きさと充実装備、それはそれで魅力はあります。

 しかし、VストABSとの価格差が10万円。純正パニア・エンジンガード・スリッパークラッチの装備代と思えば、けっして割高なモデルとは言えません。またツアラーとスタンダードの価格差は5万円、スタンダードにツアラーの装備をオプションで装着すれば工賃を含めて12万円相当ですから、スタンダードを選ぶ理由はないとの見方もありますが、購入後にパニアを外して使わざるをえない場合は、やはり割高感が際立ちます。
 パニアを装着したままなら狭小な日本の住宅事情や駐輪場では置き場に困ります。さらにセンタースタンド等による重量増で走りがやや鈍るし、エンジンガードは転び方によってはフレームが歪む可能性があります。250ccのバイクは日常使いの軽快さが求められますが、フル装備のヴェルシスでは乗り降りすら不便極まりないのです。
 このようにスタンダードを廃止した事はメーカー自らユーザーの合理的な選択肢を奪い、敬遠されやすくした車種整理でした。

 カワサキマーケティングがまるで匙を投げたかのような印象を与えたまま、昨年は何のアナウンスもなかったので、いよいよ生産終了かと思いきや、突如のカラーリング変更で2022年モデルが出てきたのです。


 さて、当記事の本題に戻ります。定番のライムグリーン&メタリックブラック(緑&黒)はカワサキらしい精悍さです。そして、初めてラインナップされたメタリックオーシャンブルー&パールロボティックホワイト(青&白)、この配色はとりわけ鮮烈で、私も大いに興味を持ちまして、さっそく実車のあるプラザ店に行ってみました。


 実車をいざ見てみると、既存車種なのにまるで別物の新型に見えるハイセンスなカラーリングに驚きました。「色白は七難隠す」の喩え通り、いろんな問題点全てをあえて許容したくなるほどのインパクトがありました。日本では黒やグレーといった渋い色が人気ですから、このアジア・欧米向けの鮮やかなカラーが日本に入って来るのは極めて珍しい事だと思います。
 メタリックオーシャンブルーは2021年モデルのW800と同じカラーで日本人には染み入るような「藍色」です。ただ単に青を配色するのではなく、深い味わいが感じられるこの「藍色」に、Zシリーズでもよく採用されている瑞々しいパールロボティックホワイトが組み合わさり、「刺さる」ような美しさを醸し出しています。この絶妙なカラーリングに私は一瞬で魅了されてしまいました!


 正面もなかなかの面構え。フロントフェンダーまで私好みのブルーで心憎いほどお洒落です。
惜しむらくは、せめてヘッドライトだけはLEDに変更しておけなかったでしょうか。


 青いビッグタンクを空力特性に裏打ちされた白のカウルがガード、ボリューム感を増したタンク周りは、圧倒的な迫力を生んでいます。


 エンジンガードは転倒対策の安心感もさることながら、ボディを引き立ててアドベンチャーらしさを強調する効果があります。


 使い勝手は今一つでも、さすがに純正パニアはよくマッチしていますし、転倒時の緩衝機能もはたすようです。またヴェルシスは重心が高いので、荷物の横積みパニアは操縦安定性の確保のためにも必要な安全策です。


 日本車離れしたカラーリングで熟成されたヴェルシス250なんですが、排ガス規制EURO5に適応することはないとプラザで聞きました。その情報が正しければ、おそらく国内販売は今秋終了せざるをえないので、今回の2022年モデルは事実上のファイナルになると私は思います。長らく日本には導入しなかったヴェルシス650、正真正銘のミドルクラスの発売が250と入れ替わるように10月なのは偶然ではないと思います。250のフルモデルチェンジの可能性はゼロではありませんが、カワサキは電動化を急ピッチで進めており、利幅の薄い日本の軽二輪市場に、ブームが一巡したアドベンチャーの新型を投入する余裕があるのでしょうか。これは他社も同様です。 

 フィナーレを飾るに相応しい美しいカラーを与えられたヴェルシス250。日本での販売実績は今一つでも、250cc初の国産アドベンチャーとして登場したパイオニアでしたから、この短命モデルに有終の美を飾るカラーリングに心からエールを送りたいと思います。

GB350に乗った!

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鳴り物入りで登場したのも束の間、インドからの供給が停滞し、バックオーダーだけでも1年分という超人気車GB350。私には縁のないバイクと思っていましたが、たまたま立ち寄ったドリーム店の店頭で見かけました。

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スタンダードではなくスポーティな軽快さを持つSタイプ。パッと見も車格は400レベルそのもので、ミドルクラスに相応しい堂々たるスタイルです。

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若者向けのバイクですが、私にも親近感を抱かせる、どことなく懐かしい佇まいです。

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試乗車なのでどうぞご遠慮なくとのことで、私も試乗させていただきました。

お店の周囲2kmほどを10分足らずで走りました。超ロングストロークの粘り強いエンジンですが、直線路の瞬発力はやはり250とは異なる頼もしさがありました。
また、何よりもサウンドが素晴らしかったです。空冷単気筒本来の心地よいパルス感が体験できました。
それでいて振動は少なく街乗りなら抜群の乗り味だと思いました。

ホンダのホームページを見ると

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なるほどバランサーを二重に用意して振動を抑えていたんですね。

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マフラーはエキパイが二重管構造で、サイレンサーが多段膨張式メガホンタイプ。開発陣が相当こだわったサウンドとのことで、実際に乗ることでその意図がよく分かりました。バイクで走る楽しさを改めて実感させてくれました。

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バーチカルエンジンの上部は切削フィンで個性的な造形美を実現しています。

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最近のバイクが爬虫類のようなルックスが多い中で、トラディショナルなフロントはやはりバイクらしい安定感があって好感が持てます。

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メーターの外見はシンプルですが、トリップや燃料計、時計・燃費・ギア表示という必要情報を網羅しています。

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Sタイプがタックロールでお洒落なシートなのに対し、スタンダードは一見地味ですが、実際はシートステッチやシュリンク仕上げで質実な個性化が施されています。

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このシフトレバーも試乗車は通常タイプでしたが、スタンダードはシーソータイプです。慣れれば靴先を傷めないメリットがあります。

このGB350はインドホンダでハイネスCB350の名で登場しています。タンク色はツートン、前後フェンダーがクロムメッキの美しいバイクです。GB350はもうすぐEURO5に適合するモデルチェンジが行われるそうですが、日本でもこのハイネス仕様がラインアップに加わるといいですね。

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何はともあれ、国内仕様ならメーカーが塗装も含めて品質レベルを上げて販売する安心感があります。現在販売されている5車種の中から選ぶと私ならメインカラーのブルーです。

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エストレアもSRもなくなった現在、ホンダが内燃機関最後の時代に間に合わせてくれた意欲作かと思います。ましてや空冷エンジンは排ガス規制の面からも風前の灯火。懐かしさと最新技術がうまく融合した傑作、道理で爆売れなわけなんです。

いいものは売れるという定石を改めて感じた試乗体験となりました。良い機会を提供いただいたホンダドリーム店さん、ありがとうございました!

GPXレジェンド150Fi見参!

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タイのGPX、日本へは2019年上陸のニューブランドですが、2007年創業ながら早くもタイ国内で3位のブランドに急成長しています。

私の地元のバイクショップにもこのかっこいいクラシカルバイクが展示されています。

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GPXレジェンド150S、渋くて日本人にも大いに頷けるデザインですね。ただこの空冷単気筒バイクはキャブ車でバルブライト、フロントフォークは正立でしたが、価格が税込26万円という格安ぶりでした。ところが早くもモデルチェンジし、レジェンド150Fiと名称変更されたように、燃料供給がFiとなり、ライトはLED、フロントフォークは何と倒立にグレードアップ。価格は税込36万円へと引き上げられました。私はこのデザインとこの新装備ならまだ安く感じます。

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日本のメーカーがけっして目を向けないカテゴリーにタイの新興企業が敢然と挑んでいる気迫があります。

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新しいのに早くも風格さえ醸し出すロゴの演出が心憎い!

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GPXのホームページではGPXFiについて「FiはアメリカのDelphiブランド」と訳されますが、たぶんDelphi規格に基づく高い技術という意味かと思います。

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クラシカルなロングシート

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ニーグリップしやすいタンクは容量12Lで、ロングツーリングもこなせます。

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バックミラーは完全な円形が個性的で視認性も高いです。

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メーターもシンプルながらLCDフルデジタル、必要な情報が的確に得られます。

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倒立サスにシングルディスクブレーキ(リアはドラム)、ミッションは6速、ボアスト比0.76のショートストロークエンジン、150ccの小粒でも、14ps/8000、13.5N.m/6500と元気いっぱい、侮れない俊敏な走りを目指していますね。

カラーはもう2色
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国産メーカーのネオレトロは入手難、タイのGPXにどうしても分がありますが、このタイ製バイクもやはり納期は未定とのことです。変異ウィルスのオミクロン株も第6波の兆し。
来年こそは新しいバイクで思いっきり楽しみたいものですね!

原付ネオレトロのニューウェーブ到来!

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前回、F.BモンディアルのエンデューロバイクSMX125を取り上げさせていただきましたが、モンディアルは並行してネオレトロ路線にも注力しています。このHPS125がそうですね。原付2種ながら堂々たるスクランブラーぶりです。

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中国生産とはいえ、そこはやはりイタリアモンディアル、センスいいですねえ!

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都会でも映える造形美、バックミラーはバーエンド、グリップはシートと同色。凝った作り込みです。

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この迫力を125㏄で可能にしただけでも特筆ものです。

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このデザインで最も成功しているのが2本出しマフラー。メッキが眩しいくらい印象的です。フロントのショートフェンダーもメッキタイプ。

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小粒でも、着想が良ければこれだけの魅力を備える好例だと思います。

スペック

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エンジンはSMX125と共通ですが、やや出力を上げた味付けです。またタンク容量が9リットルになっていますが、街乗り主体なのだと思います。リアシートやテールの絞り込みも実際にテンダムや雨天時の走行は稀だと割り切ったデザインかと思います。

 

なお、このHPS125にフルカウルのカフェレーサー仕様があります。

 

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パガーニ125、これはもうファンにはたまらないのでは!重量はさほど変わらず、カフェスタイルを原付2種に持ち込んだ意欲作です。価格もHPS125が税抜き36万円、このパガーニはわずか4万円アップで収めています。なるほど、中国生産となるわけですね。イタリアでも日本でも絶対不可能な低価格です。これなら若い方も購入に踏み込めるものと思います。

 

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惚れ惚れするモンディアルのネオレトロシリーズ、セカンドいやサードバイクに検討したくなるベテランライダーも多いのでは。しかし、品質面ではどうなのでしょう。私がネットで調べた限りでは、電装系にトラブルが多いようです。ブランドはモンディアルであっても、往時の名門ぶりや信頼性まで一挙に回復するのはまだまだのようです。このようなリスクそして原付の低負担ながらもハイオク仕様の負担増、こういう面をあえて許容できるだけの惚れ込みようなら、具体的に検討できるバイクなのかなと思いました。

できれば、モンディアルが風穴を開けたこのニッチなカテゴリーにも、日本メーカーが高品質な新型車を投入してくれたらこんないいことはありませんね。

 

F.B Mondial SMX125 日本上陸!

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イタリアの名門モンディアルブランドが復活し、中国で生産された125㏄フルサイズのオフ車がついに日本での取り扱いが始まりました。前 / 後インチが21/18、水冷6速13.5馬力、と、切り出せば単なる高性能原付オフ車なんですが、凄いのはタンク容量です。なんと14リットルもあります。なるほどSMX125をメーカーがエンデューロと呼ぶわけです。大排気量車一辺倒の日本メーカーをしり目に、オフ車ファンは確実に根強く存在し、こういう原付オフ車系アドベンチャーを待望しています。アプリリアのRX125が静かなヒット車になっているのもその証かと思います。

 

輸入元のIBSホームページ~

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いいですねえ!

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日本の道路事情なら、これで十分なのでは。

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ビッグタンクとは思えないほどスリムです。

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残念ながらヘッドライトはバルブ

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トラベルは257mmという倒立サスでホンモノのオフ車。

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リアのトラベルは207mm。

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ピアジオ供給の水冷DOHCのエンジン、燃料はハイオクです。

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デジタルメーターパネルはギアポジションを含め必要な情報が得られます。

 

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ただし、ツーリングもこなせる原付オフ車アドベンチャーだと思えば、シート高が946mmという途方もない数値になっています。リアサスのプリロードを最弱にしても2センチしか下がりません。この点で、RX125が選ばれるわけです。いくらスリムなオフ車でもこれではたいていのライダーはヤジロベー状態もしくはバレリーナ状態ですから、ツーリングどころではありません。ローダウンやあんこ抜きなどが必要になります。

 

それでもこのバイクの発売が強烈なインパクトを持つのは、オフ車ファンならば当然のことではないでしょうか?当ブログではたびたびこのような小排気量車を話題にさせていただいておりますが、日本メーカーが無視しているカテゴリーを輸入車がずいぶん補っている好例ですね。

 

車体価格は税抜きで38万円、SYMのNHT125よりは割高ですが、外装アドベンチャーとは異なり、本格的なオフ車仕様なので妥当な設定かと思います。もし、足つきに不安がなければ、SMX125をツーリング用途に考えれば航続距離が600Kmにはなりますから、北海道ツーリングにも不安はありません。素晴らしいバイクの取り扱いが始まりました。ただし、IBSがこのブランドに関してはディーラー制をとっているため、取扱店は限られています。サスティナブルなお店を選ぶか、セルフメンテナンスの腕を磨くかを念頭におかなければいけませんね。

 Ps,

SMX125エンデゥーロは、2021マイナーチェンジ情報が輸入元ホームページにありました。タンク容量がわずか6.3リットルになり、シート高は何と1020mmへと変更になりました。乗り出し価格も48万円と高額になり、よほどのマニアでなければ購入しないバイクになってしまいました。

カラーリングも大きく変わりました。航続距離が200Km程度では、エンデューロのサブネームは妥当ではないと私は思います。

125㏄のアドベンチャーがあった!

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アドベンチャーは大型ばやり、だから中国ホンダ新大洲のCRF190Lに注目していたんですが、なんと125ccなのにアドベンチャータイプのバイクがありました。台湾のSYMが中国で生産し、この秋から日本でも取り扱いが始まりました。写真のように堂々たるものです。

機構そのものは空冷単気筒でそれなりですが、タイヤの前/後インチは19/17でアドベンチャーではフルサイズ、タンク容量は11Lありますから航続距離はざっと400Kmはあるでしょう。注目度は高く、すでに最初の輸入分は完売し、次のロットは12月、しかし値上げはしないそうです。購入希望者にはうれしい話です。

 

かつて125㏄ツアラーといえばこの「名車」がありました。ホンダのバラデロ125

 

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125ながら水冷V2エンジン、タンク容量は17L、車重は180Kgもあり、価格は70万円。考えてみれば途方もない原付2種ツアラーでした。ある意味で近寄りがたいバイクでしたが、今回のSYMから出たNHT125はもう少し庶民的です。メカ的にはなんの変哲もない、ある意味で外装だけをアドベンチャー化したに過ぎないけれど、下道をのんびりロングツーリングしたい方には待望の原付ツアラーです。同じ中国のCB190XとかCRF190L、インドのCB200Xも基本的には外装のみのアドベンチャーバイクですが、だからこそ安価で供給可能なんです。こういう選択肢があってもいいのだと思います。

SYMのHPより詳細を見てみたいと思います。

 

LEDヘッドライト、テールも当然LEDです。

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エンジンガード標準装備ですが、樹脂製。

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5速リターン、ステップはラバータイプで靴底が傷みません。

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幅広のバーハンドル、USBポート装備なのでスマホやナビがすぐ使えます。

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大型リアキャリア標準装備、耐荷重は5Kgあります。積載性が確保されています。

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カラーは3種(red&white、blue&white、white)あり、私はこのカラーが気に入っています。

 

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スペック表

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センタースタンド装備で便利ですが、そのために最低地上高は160mmに過ぎません。スズキのVストローム250も同じ地上高でした。デジタルメーターはギアポジション表示やバーグラフタコメーター、時計、トリップなど必要な機能は網羅されています。

 

高速道路や一部バイパスは走れませんが、こんなカッコいい原付2種ならぜひ乗ってみたいです。ボアスト比0.84のショートストロークで高回転型エンジンながら、月刊「オートバイ12月号」や「タンデムスタイル12月号」のインプレによると、高回転域では振動は少なく、低速時もスムーズな走りとのことですから、外観に似合わず下道のんびりツーリングに適している旅バイクのようです。税抜33万円は中国製空冷125としては安くはないけれど、この欧州車並みのスタイルと必要十分な装備なら妥当な価格設定かもしれません。ただ、品質面での信頼性が不安です。ネットをくまなく当たってみましたが、NHT125のオーナーインプレらしきものがまだ見当たりません。

 虎穴に入らずんば虎子を得ず・・・、このバイクを買うこと自体がもうアドベンチャーかもしれません。SYM取り扱い店は減っていますし、購入には勇気が要ります。輸入元は昨年創業したばかりであり、長期にわたる部品供給が可能かどうかは未知数です。ただ、そういうリスクを十分承知の上で購入し、もし良い個体に当たれば、日本の道路事情には十分な性能だし、任意保険や税金などの維持費も安く、希少価値のあるバイクには違いありません。であれば、素晴らしいバイクライフの可能性を秘めたバイクかと思います。



 

 

あのFZ-X150がついに日本上陸!

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バイク界は今やネオレトロブーム真っ最中。カワサキのRSシリーズ、そしてホンダのGB350やレブルシリーズ。が、日本のライダーがこんなに共感するネオレトロのコンセプトなのに、コロナ等で輸入が滞り1年待ちもザラです。そして何よりも大型が中心です。私のような年寄りには懐かしく思えてもやはり縁遠いカテゴリーです。

 

 ところが、ここでもSOXがやってくれました。インドヤマハからネオレトロのスクランブラーFZ-X150をいち早く輸入し、もう店頭デビューさせていました。

 

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渋いですねえ、頑丈そうなのにとてもシャレてます。

 

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給油口がど真ん中じゃないところが面白いですね。ちなみに、この150㏄スクランブラーは車重139Kg、車格は日本人にはちょうどよい大きさだと思いました。原付2種以上ニーハン以下。取り回しは楽そうです。アンダーガードは装着していますが、地上高は165mmですから、ダートは無理かと思います。しかし、タイヤはチューブレスですからツーリングは安心です。今のところオプションパーツは皆無ですが、おそらく人気車になりますから、シールドやリヤキャリアはいずれ出るものと思われます。

 

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フロントフォークにはブーツが標準装備されて大事なインナーチューブの防備は万全、インナー上部へのメッキを見る限り、このブログで検討中のインドホンダCD110やSP125よりもしっかりしたメッキが施されていると思いました。またシフトペダルは通常のもので戸惑うことはないでしょう。

 

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また、肝心の駆動系もCDやSPのような白錆びや赤錆びもなく安心しました。ヤマハの方が品質は良いのでしょうか。またホンダ車によく見られる仰々しいサリーガードではなく、巻き込み防止ガードであって違和感がありません。

 

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さらに、フロントナンバーの取り付け部も、このように目だないので、細工することなくそのまま乗れますね。ただ、よく見るとフロントブーツのラバーはチープで早くも白く変質しています。購入後は注意してメンテしなければいけませんね。

 

カラーは3種用意されています、

 

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私はこのブルーが一番気に入っています。

 

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01のゼッケンは不要ですから、剥がせるものなら剥がしてすっきりさせたいです。

360°ビューからのピックアップ画像

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大型の多いこのジャンルにこんな身軽なネオレトロ、なかなかいいポジションですね。


インドのHpには以下のような説明がありました。

ブルーコアエンジン

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1chABS、2podキャリパー

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タック&ロールのダブルシート

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オフも意識したブロックパターンのタイヤ

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フォークブーツ

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アンダーガード

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エンジンカットオフスタンド

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DRL機能を持つLEDライト

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LEDテールライト

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多機能液晶メーター、Yコネクトアプリでスマホと連動します。

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仕様について

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主なオプションでは

転倒対策のガード

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タンクパッド

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小粒だけど、十分な機能も備えて、見掛け倒しではないホンモノのネオレトロですね。


このバイクは私には、日本の道路事情、自分の体格や年齢を考えれば必要十分な車体と性能ですし、ブルーコアエンジンで燃費に優れ、EURO4をクリアする環境性能、前後ディスクブレーキ、1chABS装備で日本で正規販売しても十分な品質なのに、なぜかヤマハは国内投入しません。このバイクはグローバル戦略車にも拘わらずです。そういえば、XSR125もそうでしたね。

ヤマハに限らず、日本メーカーの高付加価値戦略上の偏ったラインナップを補っているのがSOXだと思います。私も当ブログで記事にしようと思うバイクは、どうしてもSOX取り扱い車両になりがちです。

このFZ-X150は税抜き23万円というやはり破格の安さです。乗り出し価格はグッと高くなりますが、オイル40Lサービスが付きますから、長く大事に乗れば相殺されて値打ちな買い物になるものと思います。さてさて、どうしましょう、予約を急がないとブルーは次のロットになり確実に高くなります。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。