しょぼくれライフ

バイク趣味のしょぼくれた老ライダーです!高齢者の立場からの各種バイク批評のブログです。

これぞスズキ!R.J.CROSSOVER

2020年、スズキがフィリピンで発売を始めた新ジャンルのバイク、RAIDAR J CROSSOVER。アンダーボーンにオフロード機能を持たせた「カブ版デュアルパーパス」。面白いバイクですね。


まだまだ未舗装路の多いフィリピンの道路事情に対応した結果のクロスオーバータイプだということですが、なかなかどうして日本でも活躍しそうですし、何よりもガツンと来る個性的スタイルが魅力です。
 スーパーカブと同じ自動遠心クラッチで4速、タンク容量は4リットルですが、Fiなのて航続距離は200kmはあるかと思います。


オフロード車風にアップフェンダー、フォークブーツ、セミブロックタイヤでオフ車色を強調、インナーチューブはベース車より太く直径31mm

RM-Z風のフロントフェイス、精悍そのもの

リアはツインショックで悪路の走破性能も考慮されています。

カラーは黄・赤・黒・青の4色、メインカラーはなんといってもスズキのチャンピオンイエローで、青のシートや白のライトカウルとの配色が最も美しく感じられます。



スズキというメーカーはたまに他社ではできないドキッとする珍車、例えばGAGやRE5のようなバイクを出します。今でこそ国内販売ではそういう冒険はできなくても、需要のある東南アジアでは本領発揮してますね。このR.J CROSSOVERもそのスズキらしさが感じられるバイクです。

こういう面白いバイクは日本では手に入らないだろうと思っていましたが、MFDが輸入販売に踏み切ったとの事で、私もさっそく名古屋店に行ってみました。ワクワクしながら店内に入るや、ありましたねえ!


まるっきりオフ車のフロントなのにアンダーボーンフレームの実用バイク。キメラ(異質同体)を彷彿させる強烈な個性、ハッとしますね。私も大いに惹きつけられました。ツーリングでも林道でも悪天候でも、きっと可愛くて頼もしい相棒になるに違いありません。実際に跨がらせていただきましたが、車高は低くても、ハンドリングはオフ車そのもので、ライディングポジションもオフ車らしく上体を起こせて、開放感のある視界の広さを感じました。

機能面では

速度計・燃料計、インジケーターにはニュートラル・オイル・ウィンカー・ハイビーム、ギヤポジションはトップだけですが表示されるのでエコ運転に役立ちます。必要な機能は用意されていますね。

元々このCROSSOVERはRAIDAR Jがベースの派生車でした。

また、フィリピンにはホンダからすでに先行してXRM125というクロスオーバータイプのカブが人気でした。

そっくりなのでまるで後追いのそしりは免れませんが、それでもスズキのオフロード技術を活かしつつタンク容量を増やし、Fi化して利便性を高めての発売は、大いに評価できると思います。
日本国内でホンダはハンターカブやクロスカブというカブ版デュアルパーパスを出しています。


もうすっかり日本でもおなじみのヒット車ですが、やはり無難にまとめたコンセプトで、本当にオフロードに行くバイクには見えません。しかし、スズキのこの異端児は

本気でオフロードもこなせる仕様だと分かります。YouTubeMFDがモトクロスコースでの走行動画をアップしていて、ジャンプこそできませんが、オフ車然とした堂々たる走りっぷりで驚かされました。ダートても安定した走りでした。
現地フィリピンのホームページてもオフロード性能をアピールしています。

なかなかやりますねえ!

排気量115ccながらクラッチ操作の要らない軽量オフ車と思えば大変貴重なバイクかと思います。ただし、価格が乗り出し33万円。現地価格の2倍にもなってしまい、しかもリセールバリューもほぼありませんから、よほど惚れ込んで、乗りつぶすつもりでないと手が出ないかもしれません。しかし山間僻地を通勤路にしている方や、すれ違うバイクがカブシリーズばかりで食傷気味の方には、R.J.クロスオーバー115は一考の価値あるバイクかと思います。

並行輸入車全般に言える事ですが、国内販売のラインナップに乗らない不利益があるものの、それなりに少数派ライダーのニーズを満たし、希少価値のあるバイクに乗る満足感まで得られるのなら、割高な買い物でも踏み切れるのかもしれません。
 こんなバイクがあってもいいじゃないか!
と、思わせる一台です。